色々と書いてますが、最終的に大切なのは生徒への思いでした。
小手先のテクニックではどうにもできません。思いのこもった言葉は必ず生徒に届きます。
僕はあと1ヶ月で塾を卒業しますが、ここに書いてあることが少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
- 生徒と良い信頼関係を構築したい…。
- 生徒からどう思われているか心配..。
- 良く思われていなかったらどうしよう…。
なんて悩みを抱えてはいませんか?
塾講師にとって生徒の存在はとても大きいですよね。関係性には慎重にならなければいけません。
今回は塾で行われた生徒アンケートで全校舎のアルバイト講師中1位を獲得した僕から、より信頼される塾講師になるために心掛けるべきことやちょっとした豆知識などを7つに厳選してご紹介致します。
塾講師たるもの生徒を何が何でも信じること
生徒が宿題をこなしたかどうか確認する
私たち塾講師は毎回の授業で生徒に宿題を課しています。宿題の出し方やその確認の仕方を少し工夫することで得することがあります。
まず、私は宿題を”復習”と名付けて生徒に課しています。
これは宿題をというワード自体がマイナスのイメージを持つからです。
学校で宿題を出されて嬉しすぎて笑っているクラスメイトをみたことがありますか?
どちらかというと先生に宿題を減らすよう頼んだり先生が宿題を出しているのを忘れていればクラス全員で気づかれないように協力していましたよね。
このように宿題はマイナスのイメージを含むので復習やミッション、〇〇チャレンジといった別の言い方に変換して伝えてみましょう。
また、宿題を課す理由も生徒に伝えるべきです。
復習をしないと内容を忘れてしまうことや、嫌なことを逃げる癖から脱却しなければならないことなど思いを伝えましょう。
宿題チェックの際に気をつけるべきこと
毎回の授業で宿題チェックを行うと思いますが、その際生徒にどのような声掛けをしていますか?
実はこのタイミングでの声かけを少し意識するだけで生徒と良い信頼関係築きやすくなります。
ここで絶対にしてはいけない声かけの例は
です。
この声かけがよくない理由は先生側が生徒が宿題をしてこないという可能性を捨てきれていないところにあります。
つまりはどういうことかというと
「宿題をやってきた?」
と聞かれた生徒は
自分は宿題をしてこない可能性があると思われていると無意識的に感じてしまうのです。
なぜなら「宿題やってきた?」という問いはyes/noクエスチョンであり、Noという選択肢を無意識的に持ってしまっているからです。
こちら側にそんな意図はなくとも、生徒はマイナスに感じ取ってしまうかもしれません。
確かに難しいと思います。そこで私は生徒が宿題をやってきていることを前提として話し始めます。
おっしゃ~宿題の復習からやっていこうか
宿題のわからんかった問題から一緒にやろか
大切なのは宿題をやっている前提で話し始め、先のステップへ進むというニュアンスを含めることです。
と感じます。
これは家で親に「宿題やったの~?」と言われている生徒ほど効果があります。
もし生徒が宿題をやっていなかった場合は、先生は俺が宿題をしたものやと思ってる。宿題やるのって当たり前なんかな、次からやってこようという思考回路に近づける事が出来ます。
ここで大切なのは、先生が自分のことを信じ切っているという安心感を持たせることです。
僕たちが生徒を心から信じることができれば、生徒もこちらを信じてくれるようになる。
これに尽きると思います。
後ろ側が壁になっている席を選ぶ
これもちょっとした心理的裏ワザです。
人間は背後に警戒心を抱きやすい生き物です。
そのため、背中側に空間があると無意識的に警戒心を発動します。逆に後ろに空間がなければ安心感を抱きます。
人間の脳は厄介なもので、背中側に向けられた警戒心は近くにいる人間に向けられたものだと錯覚してしまうのです。
吊り橋効果という言葉をご存知でしょうか?
不安や恐怖を強く感じている時に出会った人に対し、恋愛感情を持ちやすくなる効果の事
不安や恐怖のドキドキが目の前の人に向けられたドキドキだと勘違いしてしまい、錯覚的に恋愛感情を持ちやすい傾向にある事が証明されています。
その警戒心を解くために、後ろが壁になっている席を僕はよく使用しています。
すぐに壁がなくても後ろには誰もいないという確信があればOKです。
背中側にすぐ壁があった場合、安心感が生まれます。
その安心感が近くにいる人に向けられた安心感だと錯覚してくれるようになります。
壁が近い席で授業をしているだけで勝手に安心感がついてくるので、この方法を使わない手はありません。
そのため、初めて担当する生徒の授業をする場合は必ず後ろに壁がある席を選びます。
ちなみに初めての生徒にはまず自分の名前を伝えてから相手の目を見て名前を読んであげると一気に距離が縮まるのでおすすめ
生徒ではなく塾講師としての自分にベクトルを向ける
先述のように宿題をやってこない生徒に対しても私たち講師のアプローチによっては生徒自身の考え方の習慣を変えていくことが可能です。
しかしそれでも宿題をやってこない生徒はたくさんいます。
また毎回懸命に授業を行っているのに生徒の成績が上がらない。もう頑張っても意味がない。
こうした状況のときその問題を生徒のせいにしてはいませんか?
正直生徒がやらないと意味はありませんが、生徒のためだと思って知識を補強したり話し方を見直したりすることで自己成長に繋げることも可能です。
例えば、あいつの成績が伸びないのはしっかり勉強しないからだ。課題が早く終わらないから点が取れないのは仕方ない。などはたしかに生徒自身の問題もあるかもしれません。
しかしその状況は自分が作り出しているかもしれないと考えてみるのです。おそらくそこにはたくさんの改善点があります。
これが自分にベクトルを向けるということです。
授業の組み立て方
□毎回重要な単語をテストできているか
□前回の授業の内容が定着しているか
□生徒が授業で何を勉強しているか把握できているか
□そもそも基礎が定着しているか
など、確かめるべき点はたくさんあります。目的をもって授業を行い、それに到達する事が出来なければ改善していく姿勢が重要です。
生徒との関わり方
□生徒の話を目を見て心で聞けているか
□悩みを話してもらったことがあるか
□生徒の趣味や好きなものを知っているか
僕は特に傾聴承認を意識しています
このようにベクトルを自分に向け、最善を尽くしてみることで生徒の表情や行動が少しずつ変わってきます。
そしてこの変化に気づくことこそ生徒と良い関係を築く上での肝になってきます。
塾講師は傾聴承認を心掛けるべき
傾聴承認とは、話しをよく聞いて受け入れてあげることです。基本的に話したいことを喋らせてあげましょう。
よく、生徒のお喋りが長くて授業に切り替える事が出来ないと相談を受けます。
その時に必ず「あなたは生徒の話を本気で聞く事が出来ていますか?早く授業に入りたいと思いながら話を聞いていませんか?」と問いかけます。
すると、ほとんどの先生は授業時間の事を考えながら話を聞いてしまいます。と答えてくれます。
実際僕も生徒の話を聞いている途中に一瞬時計を見てしまい、生徒に「ごめん授業やろうぜ、後で話すわw」と言われたことがあります。
生徒は僕たち講師が思っている以上に僕たちの事を見ています。
適当な相槌なんか一瞬で聞く気がないとバレてしまいます。
これでは良い信頼関係を築くことはできません。
生徒の事を知り尽くす勢いで話をよく聞いて、生徒が満足したような表情を見せたときに手をパンッと叩いて授業を展開してあげてください!
大きな音は心理的に気持ちを切り替える効果があります。さらに、勉強に入る前に毎回手を叩くとその内、手を叩く音→勉強というスイッチを作り出す事が出来ます。
生徒の僅かな変化に気づく塾講師になる
生徒を褒めることは信頼関係を紡ぐための特効薬かもしれません。生徒を褒めることで信頼関係が生まれる理由は大まかに3つあります。
10代は柔軟な時期であること
心理学にこんな話があります。まず前提として動物と人間は成長の速度が違います。
動物が狩りをしようと思った時、体は狩りができるくらいに成長している。
人間はなにかをしようとした時、体はそれに伴った成長をしていない。
高いものを取ろうとしたとき、身長が足りないといった感じです。
10代の子どもはその葛藤に毎日ように悩みます。
つまり、できると思っていることができなかった時とても大きな不安を抱えるのです。
ですから、親に子ども扱いされることを極端に嫌っています。先生である僕たちは生徒のいろんなところを認めてあげましょう。
褒めることは認めること
先述のような不安を抱えている中、先の見えない勉強を行なっているわけです。ゲームみたいに今のレベルや次のレベルに上がるまでの経験値量は分かりません。
そこで出てくるのが承認欲求。
承認欲求(しょうにんよっきゅう)とは、他人から認められたいとする感情の総称である。
字のままです。
この感情をこちら側がうまくキャッチしてあげましょう。僅かな変化でも褒めてあげてください。本当に小さなことで構いません。その小さな心がけが生徒に大きな希望を与えます。
そして生徒は自分が成長していることに気がついていません。それを伝えるのが私たち塾講師の役目です。
生徒をよく観察する
僕たちが生徒の行動や言動を観察しながらちょこちょこ突っ込むと、生徒はこの先生は自分のことを見てくれていると思うようになります。
特に生徒の家庭環境をある程度把握できているなら、それに応じてわずかな変化をほめることは効果抜群です。
例えば、勉強を頑張っていても良い点数を取らないと両親が褒めてくれない生徒の場合は頑張っている過程をしっかり褒めてあげましょう。
頑張って勉強しているにも関わらず、そこそこの点数では親に褒められないという状況にある生徒は少なくないです。
このような生徒にはまず、頑張って勉強しているという行動面を褒めることが効果的です。
そこそこな点数が維持できていることも褒めて、さらにテンションの上がる点数を取っていこうとモチベーションの向上に繋げてあげるとベストです。
塾講師は生徒にプライベートの話をするべき
生徒の不安を柔らげるという観点から、私たち塾講師はプライベートの話をすると良いです。
自分が勉強を教わる相手がどんな人物なのかを知ってもらいましょう。
- 普段どのような生活をしているのか。
- 好きな食べ物は何か。
- 趣味でこんなことをしているよ。
などなど3つほど自分の情報を与えてみてはいかがでしょうか。これだけで生徒との距離はぐっと縮まります。
勉強方法を伝える際にも
- 自分は心理学を勉強している
- 偏差値を20も上げたことがある
などの権威的な持ちネタがあれば最高です。
生徒に自分の弱点を教える
生徒から見ると、塾の先生というのは「自分ができない勉強をこなしてきた素晴らしい人間」というイメージがあるそうです。(実際に教えてくれた)
だから勉強のコツや勉強法を教えると、たまにそれは先生が頭が良いからできるんでしょと言われることがあります。(その時に聞いた)
そのため私は先程書いたような彼女いない歴=年齢という弱みやポケモンが好きという見かけによらない子どもっぽさを前面に出しています。
さらに重要なアプローチの一つとして、勉強が嫌いになったり点数が全然取れなかった過去を話のスパイスとして効かせてあげるのが大切かと思います。
それを生徒が知った状態で勉強法などの提案をすると、先生はこれで点が取れるようになったのかと納得させることができます。
勉強が苦手な生徒はテストの点数が取れる生徒を「頭がいいからできるんだ」と思い込みがちです。もしくは自分に能力がない事を認めたくなくて勉強しないという手段を使います。
そういう生徒たちにこそ実績のある正しい勉強法を呈示してあげてほしいのです。〇点だったのにこれをやったら○○点まで上がったんだよという風にしてあげると、先生ありがとう~ってなります。
塾講師と生徒の関係まとめ
以上の事をまとめると
◆まず無条件に生徒を信じる
◆自分ができることからやっていく
◆とりあえず褒める
◆自分の正体を明かす
◆弱みを見せる
ですね。まずは1つだけやってみてその効力を体験していただけたらと思います!
信頼関係を構築するために必要なことは随時追記していきます。
それでは、次の記事で会いましょう。